「客席が引き込まれる」ユニバーサル・バレエ 白鳥の湖、「観客と通じ合った」
“白鳥+衣装+舞台”幻想の呼吸。週末公演完売の人気の中、12日まで公演。
「白鳥の、湖のほとりのシーンで、白鳥たちは両腕を使い全ての羽ばたきを背中の後ろで表現します。 このように、…. 形が変わります。 …. このポーズは白鳥が隠れるポーズです。 オデット姫も王子に初めて出会った時、翼の下に顔をうずめるようにして隠れます。 本日公演をご覧になりながら、美しい白鳥の羽ばたきをご鑑賞ください。 」
9日 芸術の殿堂 オペラ劇場。客席では感嘆の声が続いた。
今こそまさに「国民の幸せの時代」。公演開始前の、ジュリア・ムーン ユニバーサル・バレエ団長の説明は客席に「心地よい幸福感」をもたらした。
ジュリア・ムーン団長の指先やつま先で咲く優雅さは「バレエの美しさ」そのものだった。 白鳥のポーズを説明してさっと巧みに見せる動作は公演の期待感を一層高めた。
1幕、楽しさ誘う道化に引き込まれ始まった王子の成人式。 華やかな衣装、幻想的な舞台、スプリングのようにふわりと跳ぶ白鳥達の豊かな踊りは我を忘れさせた。
華麗な踊りが続き個性が光る「つま先の芸術」の技量を見せるたびに拍手喝采もあふれた。 白鳥群舞の間に登場する手を繋いで踊る「4羽の小さい白鳥」は笑顔のプレゼントもした。(国内で人気のバラエティ番組 ギャグコンサートの一場面が思い浮んだため。)
王子に求婚しに訪れた各国の姫たちがスペイン、ハンガリー、ポーランド、ロシアの踊りを踊って雰囲気を一層高め、宮中道化の滑稽なポーズも目を引く。
平和な雰囲気に少し飽きが来る頃の「黒鳥 オディール」の登場は目をパッと惹きつける。 連続32回転のテクニックで王子の心を奪う瞬間、客席の観客も彼女に魅惑されてしまう。 客席では「ブラボー」が鳴り響き、心に響く拍手の質は違った。
白鳥の湖 最後を飾る場面
「白と黒の群舞」も、白鳥の湖のもう一つの主人公である。最後を飾る湖畔のシーンでは、白鳥と黒鳥24羽が、白黒が対比される絶頂の群舞で圧倒した。
ロットバルトの翼を付けている衣装も印象的だ。 立体的な舞台演出も優れていた。 王子と血みどろの戦いをして悪魔のアジトに戻った後、うす赤く火を吹く城が煙に包まれた瞬間に建物が崩れる場面は、実感ある舞台を創りだした。
白眉は最後の場面。自分を守って死んだ王子を抱きしめるオデット、白鳥の悲しい身振りの感情は客席まで伝わる。 腕を後に伸ばしはためかせて嗚咽する白鳥の姿に凄然となるほどだ。
「韓国の白鳥は魔法だった。 バレリーナ達は観客の魂を虜にした。」という、昨年3月南アフリカ共和国で公演後に浴びせられた賛辞は口先だけの言葉ではなかった。
8日開幕したユニバーサル・バレエの「白鳥の湖」は3幕4場バージョン、長々3時間の公演だが豊かな踊りの饗宴としっかりとしたドラマで退屈する暇はない。
身体の動き・足のステップ・手振りを完璧に演出した白鳥たちと一体になった舞台は「白鳥の国」を見るかのような幻想的なひとときをプレゼントした。
口コミのためだろうか、 土曜日・日曜日 3回の週末公演が完売となり勢いに乗っている。 「白鳥の湖」は有料販売率75%を記録し、不況に直面している最近の公演市場で注目されている。
コミュニケーションする「観客サービス文化」も一役買っている。 ジュリア・ムーン団長の公演前の説明は基本、ダンサー達が直接出てきてサイン会も開く。 高尚な文化として遠くに感じられていたバレエが、傍に近づいてくると、すぐに観客は「バレエの粋と味」を知るようになったと言い歓呼している。
全6回公演に6ペアの主役の出演も見どころだ。 10年余りユニバーサル・バレエの看板スターはファン・ヘミン、カン・イェナに限定されていた。 だが、今回の公演には新進の主役たちがかなりキャスティングされており、「新しい顔」「新しい踊り」を見る楽しみができた。
華やかなテクニックが強みであるイ・ヨンジョンは黒鳥と白鳥1人2役で実力を誇り、解剖学を見るような筋肉豊かな王子 イ・ドンタクのはち切れそうなジャンプも舞台を生かした。
「翼」をつけた「白鳥の湖」最後の公演は、韓−中の白鳥たちの対決で飾る。
中国のバレリーナ ファン・モンイン(オデット)、イ・ヨンジョン(オディール)、中国出身バレリーノ ホワン・ジェン(ジークフリード)などが熱演を浮き立たせている。 ユニバーサル・バレエ「白鳥の湖」は来る12日まで、芸術の殿堂 オペラ劇場で上演される。