イ・スンヒョン「バレエの力、6ヶ月の余命宣告を受けたファンも助けることが出来ました」

イ・スンヒョン「バレエの力、6ヶ月の余命宣告を受けたファンも助けることが出来ました」

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▲バレエ<This is Modern>に出演するユニバーサル・バレエ プリンシパル、 イ・スンヒョン(c)ユニバーサル・バレエ

 

 

「バレエドル」という修飾語がつくユニバーサル・バレエのプリンシパルがいる。 今日紹介するイ・スンヒョンだ。 だが、彼は本来この修飾語が好きではない。 実力で大衆から人気を得たいと考え、整った容姿で人気を独占することを警戒する実力優先のマインドを持つバレリーノだからこそだ。

 

容姿より、与えられた振付に最善を尽くせば舞台上での真正さを観客が認めてくれるのではないか、最善だけが正解だと考えるバレリーノがイ・スンヒョンである。 <This is Modern>でバレエファンに対面することになるイ・スンヒョンに、14日ユニバーサル・アートセンターで会った。

 

演出家もついていくのが難しい高難度の動き練習に練習”

 

-ハンス・ファン・マーネンの「ブラックケーキ(Black Cake)」、ナチョ・ドゥアトの「ドゥエンデ(Duende)」、イリ・キリアンの「小さな死(Petite Mort)」、「6つの踊り(Sechs Tänze)」等、4つのレパートリーの中で何と3作品に参加されますが、手に余りはしないですか?

「以前に踊ったことのある作品ですが、(以前は)作品三個に続けて出演してはないので、手に余る感はあります。 易しい作品でもないのでスタミナがどうなるか分かりません。」

 

-一番最初のレパートリー「ブラック・ケーキ(Black Cake)」では、酒に酔った人間群像を演技しますね。

「観客の立場で「Black Cake」を見たことはないですが、最初に集団で踊る雄壮な群舞があります。 (クラシックバレエのようにきちんと構成された)動作に対するストーリーが決まってはいないので、煩雑ながらも人々の人生を生きていく感じを伝達でき、踊りながら元気が出ます。 多分観客にもハッピーウイルスが伝染するぐらい非常に楽しいだろうと自負しています。」

 

– 「ドゥエンデ(Duende)」をきちんと理解するには、振付家であるナチョ・ドゥアトを理解しなければならないようですが。

「演出家が来韓した時、ナチョ・ドゥアトは天才的な振付家でありながら身体条件も良かったという話を聞いたことがあります。ナチョ・ドゥアトは一般人ができない難しい動作をとても簡単にします。ナチョ・ドゥアトがする動作は、ダンサーもついていくのが難しいほど高難度です。 訪韓した演出家も、初めはナチョ・ドゥアトの動作についていけなかったと告白したほどでした。

 

ずっと練習しながらついていき自分のものにするしかない動作が多いです。「小さな死(PETITE MORT)」は以前から公演を何度もしたので動作が体に馴染んでいますが、「ドゥエンデ(Duende)」は一度しか作品をしたことがないので、3つのレパートリー中で最も難しい作品です。 難度の高い作品なので毎回練習するたびに手を焼きます。 ある動作などは、始めればいつ終わるのか計り知れないほど手を焼いたりもします。

 

美術館に行った時に丸い絵が一つあったとします。「これは何だろう?」と感じる鑑賞者のインスピレーションがあるように、ナチョ・ドゥアトを理解するよりは「ドゥエンデ(Duende)」を見て観客がたくさん感じることが重要です。」

 

– 「小さな死(PETITE MORT)」は、話も話だが象徴に注目しなければならないレパートリーですね。

「「小さな死(PETITE MORT)」は、人間の性欲に対する部分をたくさん表現しています。 男性ダンサー、女性ダンサー関係なくアンダーウェア一つだけ身につけ、身体をほとんど露わにして演技しなければならない作品です。」

 

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(c)ユニバーサル・バレエ

 

– 15才という遅めの年齢でバレエに入門し、今はプリンシパルになりましたね。

「自分はたくさん努力する方ではないと思います。 他のダンサーのようにもっと努力していたらもっと良いダンサーになったと思います。 両親がくれた身体的条件が良かったんだと思います。 両親に感謝してます。 努力半分、身体的な条件半分でプリンシパルになった思います。」

 

-ロールモデルとなるバレリーノは誰かいますか?

「<白夜>に出演したミハイル・バリシニコフを目指してます。 幼い時から動画もたくさん見ました。 まねたい動作がとても多いほどロール モデルとなるダンサーなのですが、そのようにはできてないな。(笑) 彼の踊りのスタイルについて行くには、絶え間ない努力をしていかなければならないだろうと思います。」

 

‐日本にもファンが多いと伺っていますが。

「日本のファンに感謝している部分は、あの方達は一度ファンになって下さると忠誠心が強いんですね。 余程のことがない限りファンであることをやめたりしません。 日本のファンの中で、ある方は余命宣告を受けました。 日本で公演した時その方が公演の広告を見て、自分の公演を観られてファンになって下さったんですが。 自分のファンになっただけでなくまるごとバレエに関して学び始めました。 私たちの公演を見た後、私たちが韓国に戻っても日本でのバレエ公演を探して観覧するほどのバレエファンになったんです。

 

体調が良くないので会社を辞めたそうなのですが、バレエを観覧するには観覧料が必要なのでアルバイトでお金を作りながらバレエを尋ね歩いて観覧したそうです。 その方に手紙を書いて差し上げたことがあるのですが、 私の手紙を見て病気が治ったと喜んで下さいました。 本来はあと6ヶ月しか生きられないという宣告を受けたのですが、2年を超えた今も生きていらっしゃいます。 私どもが日本公演をする時はわざわざ空港まで訪ねて来て嬉しそうに迎えて下さいます。」

 

-ジャンプに抜群の才能がありますね。

「他のダンサーのように多くの回転をするわけではありません。 3回転や4回転を回っても乱れてはいけません。 たくさん回るのが重要なのではなく、すっきりときれいに回るのが重要です。」

 

-最近はダンサーもサバイバル・ プログラムに参加できる時代になりました。

「バレエを点数で評価するというのは気に入りません。 ヒップホップやブレイクダンスのように、ジャンルが完全に違う分野と競うという形式自体も、ダンサーの立場で見ると話にならないと思います。」

 

 

【Oh my Star】

http://star.ohmynews.com/NWS_Web/OhmyStar/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0001916447