舞台芸術家のジンクス

舞台芸術家のジンクス

 

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世界的なオペラ歌手 ルチアーノ・パヴァロッティは、公演直前に曲がったクギを探し歩いた。 舞台セットでクギを発見できなければ歌は上手くいかないだろうと信じた。 この噂を聞いたスタッフがわざわざ曲がったクギを目につく所に置いておくこともあった。

 

いくら優れた巨匠でも舞台で緊張をする。 完璧主義者であるほど小さい失敗も容認しにくいためだ。 実力だけでは恐れを追い出すことも大変だ。 数多くの観客の視線が傾く瞬間の恐怖はものすごいという。 そのため公演に集中するために自分だけの特別な「意識」を払う。

 

チェンバロの巨匠ピエール・アンタイ(49)は音楽会直前にはお湯に指をひたす。 演奏前に筋肉をほぐすための措置だが、手がぶよぶよに腫れ上がるほどにだ。 伝説的なピアニスト グレン・グールドもこのような習慣を持っていた。

 

ドイツ指揮者クリストフ・エッシェンバッハ(73)は音楽会直前に頭を地面に当てる。 精神力を整えるヨガの姿勢だ。 ヴィオリストのリチャード・ヨンジェ・オニール(35)は公演直前に控え室の照明を低くして心を落ち着かせ沈める。

 

ヴァイオリニストのキム・ミン、ソウルバロック合奏団 音楽監督(71)は公演一週間前から頭を空にしようとする。 他の複雑なことはしばらく忘れ、ただ演奏のみに集中するよう努める。

 

彼は「舞台で精神的に持ちこたえる力を探すのは本当に大変だ。 恐ろしくなってしまうと演奏にならない。 まるで太平洋に私一人で浮いているような気持ちになる。 「観客が私と取って食べてしまったらどうしよう」という気すらする」と話した。

 

ドイツで活躍するベースのチョン・スンヒョン(40)は、公演一日前から話をせず指で意思表示をする。 喉を大事にするためだ。 彼は「一日中歌のことだけを考えている」と話した。

 

声が生命である声楽家の最大の敵は風邪。公演がある時はできるだけ外出を控えている。 ホテルの部屋に加湿器を回して、浴室にはお湯を張り声帯を保護する。 とても敏感なソプラノは「もしかしたら風邪や病気が移るかもしれない」と電話インタビューにのみ応じる。 テノールのイアン・ボストリッジ(49)は浴室の洗剤の匂いにとても敏感で、清掃後は必ず換気をお願いした。

 

舞台に上がる直前に食べる食材も普段とは違う。 満腹感もありながら緊張を和らげてくれるバナナと紅参、ナッツ、チョコレートなどをたくさん食べた。 ピアニスト ジヨン(22)は幼い時からバナナを食べれば、舞台ではあまり震えなかったという。 ソプラノ チョ・スミ(51)もバナナと紅参ドリンクを準備して食べる。

 

バナナは筋肉に良く、バレエダンサーが公演直前にしばしば食べる食べ物でもある。 韓国国立バレエ団は、控え室に箱ごと置いて団員が食べれるようにする。 ユニバーサル・バレエ イ・ヨンジョン(25)はオレンジジュースを飲むと力が出る。

 

高難易度の踊りのため、ケガの危険が多いバレエダンサーにもジンクスがある。 韓国国立バレエ団 プリンシパル キム・ジヨン(35)は公演の直前に爪を切る。 彼女は「爪がすっきり整っていないと、舞台でとても気になる」と話した。 公演中に汗をかくことが多いので、パートナーのために香水をふることも忘れない。

 

ユニバーサル・バレエのダンサー カン・ミヌ(22)は、黒い糸でバレエシュースを縫う習慣を持っている。 シューズの色が肌色でも黒色でも関係ない。 そして、公演直前には舞台の床を手で3回たたいて観客の前に出る。

 

<毎日経済>
http://news.mk.co.kr/newsRead.php?year=2013&no=275210