ユニバーサル・バレエ『白鳥の湖』

<公演映像> ユニバーサル・バレエ『白鳥の湖』


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ジュリア・ムーン団長の「賭け」だったとでも言おうか。 多分に「攻撃的」なキャスティングだった。 その結果、新たに抜擢された主役のダンサーたちの可能性を垣間見ることができたという点で、今回の公演は肯定的な評価を受けるだけのことはあった。

 

去る8日から12日まで芸術の殿堂 オペラ劇場で行われたユニバーサル・バレエ「白鳥の湖」の公演の最大の特徴は、全6回公演の、各回の主役がすべて違ったという点である。 一見すると自信の表現であるともいえる。 ユニバーサル・バレエ「白鳥の湖」の舞台に立つことのできるダンサーが、それ位多く確保されているということだ。 しかし実際には、信じて主役を任せることができるダンサーを今育てなければ、バレエ団の未来は保障されないという危機意識を反映したものということができる。 未来を準備しようという背景が、より大きかったという訳だ。

 

そのような背景から、今回は新しい主役が大勢抜擢された。 相対的に早く主役としての舞台経験を与えるためであった。 オデット/オディールとジークフリート王子役にイ・ヨンジョン(ソリスト)−イ・ドンタク(ソリスト)、キム・チェリ(ソリスト)−イ・スンヒョン(プリンシパル)組を出した。

 

また、最終日公演にはファン・モンイン(ソリスト)が初めて白鳥役を演じる一方、黒鳥役はイ・ヨンジョンが踊るよう配した。 残りの3回公演のオデット/オディール役は、プリンシパルであるファン・ヘミン、カン・イェナ、カン・ミソンがそれぞれキャスティングされた。

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「白鳥の湖」はよく知られている大衆的な作品である。 しかし、主役ダンサーにとってこの作品での演技は非常に大変だ。 性格がとても違うキャラクターであるオデットとオディールを、一人のバレリーナが舞台で表現することはかなり難しい作業であるからだ。それがこの作品が「プリマバレリーナ」の登竜門と言われる所以である。

 

実は今回の6回にわたる公演のスタートは、やや不安定であった。

 

初日、8日の公演の主役は、ファン・ヘミン−オム・ジェヨン2人のプリンシパル。 ファン・ヘミンは依然として熱演したが、腰の怪我の後遺症が残るオム・ジェヨンは、時々回転やジャンプ後の着地動作で隙間が見えた。 ユニバーサル・バレエが誇る白鳥と黒鳥の群舞にも瞬間的な乱れがあった。

 

しかし翌日のマチネ公演(主役イ・ヨンジョン−イ・ドンタク)時には、状況が完全に好転した。 黒鳥役の経験はあるが、白鳥と黒鳥役を両方踊るのは今回が初めてであるイ・ヨンジョンは、1幕2場のオデットの場面では上体の動きが多少硬直したような感じがあった。 しかし、2幕1場でジークフリード王子を誘惑する妖艶な姿の黒鳥オディール役を踊る際には、体から熱いエネルギーが湧き上がっていた。 特に、一方の脚を上げ、もう一方の脚に巻きつけるようにし、その推進力で身体を32回転させるフェッテは、感嘆の声が出てくるほどであった。 イ・ヨンジョンの高いフェッテの技量にはすでに定評があるが、話に聞く以上のものであった。 神がかったようなフェッテを終わらせたイ・ヨンジョンは、最後のシーンである2幕2場でもそのエネルギーをそのまま持続させ、オデットの絶叫を踊りで吐露した。

 

イ・ドンタクもやはりジャンプや回転などで安定した動作を見せ、カリスマあふれる演技を披露した。二人の呼吸はぴたりと合っていた。

 

この公演では際立って見えた二人の主役ダンサーの踊りの他に、さまざまな要素をすべて総合してみると6回の公演中、最も記憶に残るものであった。 前日なぜか愚鈍な音を出すような感じを与えたプライム・フィルハーモニック・オーケストラ(指揮 チェ・スンハン)のやわらかい演奏、悪魔ロットバルト(ドン・ジアディ)と道化(リャン・シーファイ)など、主要な脇役のすばらしい演技、パ・ド・トロワ(ジョン・ユィ、ソン・ホジン、ホン・ヒャンギ)、キャラクターダンス、幻想的な湖畔の群舞の場面などがよく調和を成した。

 

同日のソワレ公演(キム・チェリ−イ・スンヒョン)も新しく主役に抜擢されたバレリーナが舞台に立った。キム・チェリもやはり白鳥と黒鳥役両方を演じるのは今回が初めて。 キム・チェリは1幕、白鳥の湖の場面で、美しい身体のラインを十分に活かし、純粋で清らかに恋に落ちた白鳥オデット役を感動的に踊りこなした。 ヴァイオリンとハープの2重奏が、哀切な愛のメロディを奏でる中、キム・チェリが右足を繰り返し細かく震わせ、ジークフリード王子との愛の旋律を表現する場面が印象的だった。

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興味深い点はイ・ヨンジョンとキム・チェリが対照された姿を見せたということだ。イ・ヨンジョンがオデットの場面で初めに若干硬直したような身振りを見せた反面、キム・チェリはオディールの場面で動作が多少不安定だった。 ピルエットとフェッテなどの回転場面で自信がちょっと欠如しているような身振りを見せた。

 

ジークフリート王子役を以前した経験があるイ・スンヒョンは安定した演技を見せた。 彼は翌日カン・ミソンのパートナーとして出演予定だったコンスタンチン・ノヴォショーロフの体調が良くない代わりに舞台に立つことになったが、二日連続する公演であるのにより良い技量を見せてくれた。

 

カン・ミソンと11日出演したカン・イェナは全部プリンシパルらしく非常に安定したオデット/オディールの演技をみせた。 長い間最高水準のバレリーナで活動してきたカン・イェナのオデット/オディールの演技は動作に無理がないながら円熟米があった。

 

カン・イェナの「白鳥の湖」出演は今回が最後という点で特に印象深く見えた。 彼のオデット/オディール役をこれ以上見ることができないという点はただただ惜しい。 カン・イェナのパートナー役をしたシュツットガルト・バレエ団のプリンシパル エヴァン・マッキーにはよどみない身振りで舞台を掌握しながらカン・イェナの動きを落ち着いて後押しした。

 

12日の最後の公演は今回の6回公演中唯一オデットとオディール役が分離した。 バレエをしやすい長い腕・足を持つファン・モンインは良い演技をしたがまだ主役としての経験不足で時々なめらかでない動きが目についた。 イ・ヨンジョンは9日に続きしっかりとした下半身の力で力強いフェッテを成し遂げるなどより一層自信がついたようだ。 ジークフリート王子に黒く変わった花束をばらまいてばかにする時の演技が目立った。 ファン・モンインのパートナーは香港出身のプリンシパル ホワン・ジェンで貴族的な容貌に比較的安定した演技をプレゼントした。

 

今回の6回公演時はコールドバレエにいたホン・ヒャンギとチェ・ヒョジョンが1幕1場の3人舞ダンサーに抜擢されて技量を発揮した。

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毎公演の時ごとに客席はほとんど満席であり観客の反応は熱かった。 ユニバーサル・バレエ側は6回公演の客席占有率が91%に達したし、有料販売率は81%に達したと明らかにした。 バレエ団側は当初有料販売率希望線を80%で捉えたが期待値を上回る水準だった。

<NAVER> -公演映像-

http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=103&oid=422&aid=0000006449