紹介

■韓国で誕生した世界的バレエ団

大韓民国ソウルに位置するユニバーサル・バレエは、1984年に誕生した韓国初の民間バレエ団で、今年、創立30周年を迎えた。第1回公演「シンデレラ」を皮切りに、2000年初めまでは主にロシア マリインスキー・バレエの伝統を継承した作品を、それ以降はヨーロッパのドラマティック・バレエや現代のコンテンポラリー作品を扱い、レパートリーの幅を広げている。

ユニバーサル・バレエは韓国を含む世界19ヶ国にて1800回余りの国内外公演を行い、韓国を代表するバレエ団として成長して来た。世界的なバレリーナ、ジュリア・ムーン団長のもと、現在約70人の最高レベルの韓国および外国籍ダンサー、そして40人以上の技術スタッフが常在しており、韓国はもちろんアジアとヨーロッパ、アメリカなど数多くの国で公演を行い、世界トップ・クラスのバレエ団を目指し、絶え間ない努力をしている。

■ユニバーサル・バレエを育ててきた世界のバレエ界名匠たち

ユニバーサル・バレエは初代芸術監督エイドリアン・デラス、第2代ダニエル・レヴァンス、第3代ロイ・トバイアス、第4代ブルース・スティーヴェルと、代々バレエ界を代表する名匠たちによる指導を受けてきた。1998年より2007年までロシアのキーロフ・バレエ団芸術監督として23年間在職して来たオレグ・ヴィノグラードフを第5代芸術監督として迎え、ロシアのキーロフ・バレエ団(現マリインスキー・バレエ)の正統なる古典バレエを継承し、さらにユニバーサル・バレエ独自の伝統へと昇華させている。現在、振付家でもあるブライアン・ユ、第6代芸術監督により創作グランドバレエへの取り組み、欧州の巨匠振付家らとの交流も活発化させている。

 

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■クラシックから現代バレエまで

ユニバーサル・バレエは「白鳥の湖」、「眠れる森の美女」、「ラ・バヤデール」、「くるみ割り人形」、「ドン・キホーテ」、「ジゼル」、「ロミオとジュリエット」など華やかで雄大壮厳な古典バレエのレパートリーのみならず、今日に至っては、イリ・キリアン(Petite Mort, Sechs Tanze)、 ウィリアム・フォーサイス(In the Middle, Somewhat Elevated)、ハンス・ファン・マーネン(Black Cake)、オハッド・ナハリン(MINUS7)、クリストファー・ウィールドン(Variation Serieuses)、ナチョ・ドゥアト(マルティプリシティ・静けさと虚ろさのかたち、Na Floresta、 Duende)、ハインツ・シュペルリ(All Shall Be)の作品を通じて世界的に著名な振付家とバレエファンより認められてきている。2009年にはジョン・クランコの傑作「オネーギン」を、東洋のバレエ団としては二番目、韓国のバレエ団としては初となる公演を行い、2012年にはケネス・マクミラン振付「ロミオとジュリエット」をドラマティック・バレエのレパートリーに加え、やはり韓国バレエ団として初めて公演した。また韓国固有の伝統を土台とした創作バレエの開発も手掛けている。その代表作が1986年に誕生した「沈清」(シムチョン)だ。「沈清」は世界10ヶ国で公演、世界の人々の心の琴線に触れてきた。2007年には韓国の代表的古典文学「春香」(チュニャン)のバレエ化、さらには「沈清」(シムチョン)を子供向けにリアレンジしたバレエ・ミュージカル「沈清」(シムチョン)を成功裏に発表した。2011年よりユニバーサル・バレエは、創立理念である「藝天美地」(天上の藝術で世の中を美しく)を実践するためワールド・ツアーの大遠征に挑戦している。

 

『白鳥の湖』

『白鳥の湖』

『オネーギン』

『オネーギン』

『ラ・バヤデール』

『ラ・バヤデール』

『ドン・キホーテ』

『ドン・キホーテ』

■世界的バレエスターの産室

ユニバーサル・バレエおよび直営バレエ教育機関であるユニバーサル・バレエ・アカデミー(Universal Ballet Academy)は、国内外で活発に活動している世界的ダンサーを輩出してきた。

アメリカン・バレエ・シアター(ABT)プリンシパル ソ・ヒ(ヒー・セオ)、シュトゥットガルト・バレエ団プリンシパル カン・ヒョジョン、ボリショイ・バレエ団プリンシパル セミョーン・チューディン、スペイン国立ダンスカンパニー プリンシパル キム・セヨン、タルサ・バレエ プリンシパル イ・ヒョンジュン/ソン・ユヒ、ドレスデン国立歌劇場バレエ ファースト・ソリスト イ・サンウン、前ユニバーサル・バレエ プリンシパル カン・イェナ、そしてユニバーサル・バレエの看板スターであるファン・ヘミン、オム・ジェヨン、カン・ミソン、キム・ナウン、イ・スンヒョン、イ・ドンタク、キム・チェリ、イ・ヨンジョン、カン・ミヌなどが彼らである。