"バレエは自分を任せる踊り…夫婦なので良いです"

“バレエは自分を任せる踊り…夫婦なので良いです”

hyemin_jaeyong_mknews

ユニバーサル・バレエ プリンシパル、ファン・ヘミン-オム・ジェヨン夫婦
12年呼吸を合わせてきた舞踊界の看板スター
8月 `眠れる森の美女` 公演
“配慮が私たち夫婦をいさせてくれた力”

‘眠れる森の美女’は、クラシック・バレエの教科書である。基本動作とテクニックを徹底して遵守してこそ完成される作品だ。

ユニバーサル・バレエのプリンシパルダンサー、ファン・ヘミン(37) オム・ジェヨン(36)夫婦は強く結ばれた信頼と安定した呼吸で基本に集中する。2003年からパートナーとなって踊ってきており2012年に結婚した彼らの踊りもやはり’2人舞(パ・ド・ドゥ)の教科書’と評価されている。舞台でお互いを輝かせるために細心の注意を払い配慮する。肩の上で高難度の回転をしたファン・ヘミンのスカートが捲れたとき、オム・ジェヨンは誰も気づけないほど素早く元に戻す。夫婦でなければそのように迅速に対処するのは難しい。

パートナーに対する信頼としっかりとした基本技が土台となって完成された夫婦の踊りを ‘眠れる森の美女’で鑑賞することができる。8月14~16日 チュンム・アート・ホール(Chungmu Art Hall).

最近ソウル陵洞にあるユニバーサル・バレエにて会った夫婦は、”本当に信じ頼れるパートナー”だと話した。12年合わせてきた呼吸は、二人に翼をつけてくれる。踊りと内面の演技が更に深くなり品格が高くなった。誠実な態度と、成熟し節制された踊りでユニバーサル・バレエの看板スターであり韓国を代表するダンサーに位置付けられた。

ファン・ヘミンは、”空中でのジャンプと回転動作を行うとき、バレリーノに身体を預けなければならない。呼吸が合わないと怪我をする可能性もある”と語った。オム・ジェヨンは、”呼吸に不安があると、舞台にそれが表れる。”と話した。

1890年にロシア・マリインスキー劇場で初演された’眠れる森の美女’は、作曲家チャイコフスキーと振付家マリウス・プティパの’3大バレエ名作’の中で一番初めに創られた作品。’白鳥の湖’と’くるみ割り人形’より更に厳格な踊りの動作が求められる。オム・ジェヨンは、”‘白鳥の湖’は、鳥が飛ぶ動作において腕を動かす余地がある。だが、この作品は童話の中の姫と王子の枠を抜け出てはいけないため、よりストレスを受ける”と説明した。ファン・ヘミンは、 “基本技を遵守するのがこの作品の魅力だ。技巧を見せるのではなく枠から出ない精巧さを見せなければならない”とした。

基本動作のみならず、相当な体力も要求される。1幕でオーロラ姫はプロポーズをしにきた王子たち4名と続けて踊らなければならない。悪の精カラボスの呪いで糸車の針に刺されて眠りについた後、夢の中でも踊る。

オーロラ姫役を踊るファン・ヘミンは、”息切れして死にそうになる一歩手前まで踊る”と言った。

オム・ジェヨンが腰を痛めたため、今年は国内での全幕バレエにて初めて呼吸を合わせる。どれほど苦痛であるかをよく知る妻の内助が彼を支える力だ。オム・ジェヨンは、”痛い所をよくわかっているので妻がマッサージをしてくれる。他の職業を持ったならこの苦痛は経験しない”と話した。ファン・ヘミンは、”言葉にしなくても、この苦痛はよくわかる”と言う。

職場ではいつも一緒で飲み友達も同じである二人は、仙和芸術学校で初めて出会った。オム・ジェヨンが1年先輩であるファン・ヘミンにくっついて回った。長い縁の末に一つの家に住むようになった夫婦は、退勤後並んで寝そべりテレビを見る。時々妻が作品の順序を覚えるのに身体を支えてくれというと、鬱陶しがることもある。

ファン・ヘミンは、”夫は家でバレエの話をするのを嫌がる。でも自分は新作品を覚えるのが遅いので、頭の中でもずっと踊っている”と言う。

新婚時にカルビの蒸し物とサムゲタンなどを料理してくれていた妻は最近、ミュージカル’ファントム’に出演する準備のためキッチンに足を踏み入れられない。

ファン・ヘミンは、”バレエは完売が難しいけれど、ミュージカルはいつも客席が一杯に埋まっていて驚いた。それでもミュージカルファンの方々が自分を観にバレエ公演に来られるというのでやりがいを感じる”と語った。

東京シティバレエ団のゲスト・プリンシパルダンサーとしても活動する夫は、近頃日本語の塾に通っている。東京のバレエスクールからレッスンの要請が多くコミュニケーションのために学んでいる。

オム・ジェヨンは、 “日本にはバレエスクールが本当に沢山ある。受講生達がプロダンサーを呼んで学び、一緒に公演も行う”と話した。段々と離れている時間が増えるが、二人の共通の関心事は後進の養成だ。韓国メセナ協会主催のバレエ英才後援プログラム、’SSCL Drive your Dream’でも講義をした。公演問い合わせ (02)2230-6601 [チョン・ジヒョン記者 / 写真 = イ・スンファン記者]

 [毎日経済]

http://news.mk.co.kr/newsRead.php?year=2015&no=728920