【公演レビュー】バレエ 「ラ・バヤデール」 息つく間もない踊りの饗宴…客席の観客を引き込む

【公演レビュー】バレエ 「ラ・バヤデール」 息つく間もない踊りの饗宴…客席の観客を引き込む


韓国クラシック・バレエのパワーを見せるユニバーサル・バレエの「ラ・バヤデール」

幸せな愛に酔いしれる舞姫、自分を裏切った恋人の前で死を迎える悲恋の女性、死んで霊魂となり永遠の愛を守る神秘的な精霊。この全ての姿を一人のバレリーナが多彩に変化させる。

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ユニバーサル・バレエの 「ラ・バヤデール」公演シーン

 

清々しいダンサーたちの美しく、くっきりとした動作は、舞台の上で音楽のように流れ出し、ルートヴィッヒ・ミンクス (Ludwig Minkus)の音楽は、ダンサー達の身体を覆い客席の観客まで包み込んだ。神秘的な舞姫の姿は、同じ劇場の舞台で上演された韓国国立オペラ団の‘真珠採り’ のような儚さまで連想させた。続いて32人のダンサーがつま先、手先に加え、呼吸まで完璧に合わせる神秘的な白の群舞は、胸の中のファンタジーを静かにノックする。バレエが見せることのできる美の極致を見せてくれる作品だった。

 

韓国クラシック・バレエのパワーを見せてくれるユニバーサル・バレエの、「ラ・バヤデール」のヒロインである舞姫「ニキヤ」役を担った5名の主役、ファン・ヘミン、カン・ミソン、キム・ナウン、キム・チェリ、ホン・ヒャンギが芸術の殿堂(ソウル・アーツ・センター)オペラハウスの舞台に立った。

11月1日に上演されたバレエ「ラ・バヤデール」は、クラシック・バレエの中でもドラマ性が強い作品で 1幕, 2幕, 3幕が劇的な対照を成している。悲哀に満ち情的な美しさが際立つキム・チェリは、ニキヤとしてデビューした。バレエの産室と呼ばれる仙和芸術学校を卒業した彼女は、スイスのローザンヌ・コンクールでも2006年、2007年続けて入賞し、韓国バレエの次世代スターとして早くから注目された。

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ユニバーサル・バレエラ・バヤデール’の主役、バレリーナ、キム・チェリ

キム・チェリと組んだパートナーは、今年の10月ソリストへ昇級したキム・テソクで、2013年にフランスのグラース国際バレエコンクールで大賞を受賞し頭角を現したダンサーだ。二人の若手ダンサーは、爽快なジャンプと華麗なテクニックを披露し、客席の拍手を引き出した。

 

ソロルを間において、ニキヤと火花散る神経戦を繰り広げる、悪賢い王国の姫、ガムザッティは、韓国内の最長身バレリーナであるソリスト、チェ・ジウォンが踊った。韓国国立バレエ団の団員、イ・ヨンドと結婚したチェ・ジウォンは、一層深まった演技力とテクニックで、妖艶であくどいガムザッティ姫の姿を描き出した。キム・テソクとキム・チェリ、チェ・ジウォンは芸術の殿堂の公演映像化事業(SAC on Screen)のタイトルロールも担った。

 

ソロル役と黄金の神像で初デビューしたカン・ミヌは、2010年の初演よりもさらに成熟した姿で目を引いた。去る 6月, 世界初演した「グレアム・マーフィーのジゼル」で時空間を往来する恋を熱演した、プリンシパルのキム・ナウンとソリストのカン・ミヌが「ラ・バヤデール」で再会した点も注目に値する。特に‘アルブレヒト’ 役を担ったカン・ミヌは豊かな感性が覗える舞台で感動を贈り、隠れた宝石の再発見という評価を得たことがある。

 

ユニバーサル・バレエが2010年の公演以降、5年ぶりにクラシック・バレエの中で最もドラマティックなバレエとして挙げられる大作、<ラ・バヤデール>を披露した。

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ユニバーサル・バレエラ・バヤデール」 の公演シーン  

 

「ラ・バヤデール」(La Bayadère)は、フランス語で‘インドの舞姫’を意味し、神秘的で異国情緒のあるインドの黄金帝国を背景としている。寺院の美しい舞姫ニキヤ、権力と愛の狭間で葛藤する戦士ソロル、舞姫から戦士を奪おうとする姫ガムザッティ、舞姫に欲望を抱くハイ・ブラーミン(大僧正)まで。<ラ・バヤデール>では身分を超えた愛と裏切りがドラマティックに描かれている。

 

全3幕5場の間、ダンサー達は息つく間もない踊りの饗宴を繰り広げる。主人公ニキヤの死後、白いチュチュを着たダンサー32名が登場する、 ‘影の王国’の場面で経験したバレエ・ブラン (白のバレエ)の幻想的な群舞、インド宮中の舞姫たちの扇の踊りと水瓶の踊り、オウムを持った踊り、戦士たちの力強い太鼓の踊り、男性ソロの「黄金の神像」の場面はもう一度見ても驚くべきものがある。

 

「ラ・バヤデール」は、大規模な舞台セット、150名余りの出演陣、400着余りの衣装で数多くのバレエ作品の中でも、断然‘超大型ブロックバスター・バレエ’に挙げられる。大型の像が登場し、息つく間もない踊りの饗宴が繰り広げられる、マンモス級の華やかさを誇るためである。

 

ジュリア・ムーン団長が、2008年からユニバーサル・バレエが韓国バレエで初めて実施した‘公演前のバレエ鑑賞法解説’ および ‘公演中のリアルタイム字幕提供’は、一般の観客がバレエに一歩近づくことができるのに、充実した種苗となっている。

 

チョン・ダフン客員記者 otrcoolpen@viva100.com

[ブリッジ経済]

http://www.viva100.com/main/view.php?key=20151103001226032