【インタビュー】新鋭イ・ドンタク、マイケル・ジャクソンを夢みたファッショニスタがバレリーノに

【インタビュー】新鋭イ・ドンタク、マイケル・ジャクソンを夢みたファッショニスタがバレリーノに

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▲ユニバーサル・バレエ イ・ドンタク(25)バレリーノ(c)クァク・ジンソン

 

2012年バレエ協会新人賞を受賞し、大韓民国舞踊界に彗星のごとく登場したイ・ドンタク(25.ユニバーサル・バレエ)。彼は今年<白鳥の湖>の主演(王子)、<沈清>の主演(船長、龍王)にキャスティングされ、注目されているダンススターとして浮上中だ。

 

幼年時代に彼が初めて接したバレエは、ただマイケル・ジャクソンの踊りを上手に踊るための手段に過ぎなかった。 だが、ある瞬間にバレエは彼と長い旅程を共にする人生のパートナーとなった。 15年という長い時間、最高のバレリーノを夢見て駆け上がって来た。

 

先月26日にバレリーノ、イ・ドンタクに会い話を聞いてみた。 彼はどんな舞台を夢見るのだろうか? イ・ドンタクの「独特な」バレエ入門記(始めるきっかけ)、日常、趣味は目を引くものがあった。 興味深い話の中で発見できたことは、冷めることのない踊りへの情熱だった。 日常では個性味溢れる青春、しかし舞台では誰よりも強烈なイ・ドンタクとの出会いは興味深かった。

 

マイケル・ジャクソン、ファッショニスタ、「神話(シンファ)」の師匠、マーべルマニア….そしてバレリーノ!  

 

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▲ユニバーサル・バレエ バレリーノ イ・ドンタク

(c)クァク・ジンソン

 

イ・ドンタクとバレエの縁は小学校3年生の時に遡る。 当時10才だったイ・ドンタクは、マイケル・ジャクソンの踊りを見て「ぼくもあんな風に踊りが上手になりたい」という夢を持った。 そんな彼に、柔軟性の高い「バレエ」の動作が目に映った。 バレエを習えばなぜかマイケル・ジャクソンの踊りも上手に踊ることができそうだったためだ。 当時の状況について彼が語った。

 

「幼い時マイケル・ジャクソンが好きでした。 上手に踊りたくて練習をしていましたが、ある日友人の女の子が柔らかく脚を広げてストレッチをしていたんです。 尋ねるとバレエ教室に通っていると言いました。(上手に踊りたいと思って)ついて行って習いました。 お母さんは僕がしたいことを後押ししてくれましたが、反面お父さんはすぐにやめるだろうと言っていました(笑)。」

 

バレエを習いながらイ・ドンタクはマイケル・ジャクソンの踊りについては忘れた。 新しい憧れの対象ができたのである。 バレリーノだ。 素敵な空中動作を披露するバレリーノの踊りを見て、「人間が空中で浮いていることができるんだなぁ!」と、畏敬心が幼い彼をバレエの世界へ導いた。

 

イ・ドンタクの、独特なバレエを始めるきっかけは興味深かった。 ところで彼の日常は、このような事実に劣らないぐらい個性的だということで知られている。 イ・ドンタクは練習室、公演会場に常にとてもよくコーディネートされた服を着て登場するので、同僚やファンたちの間で「ファッショニスタ」で通っている。 これは単にお洒落をするためではない。 イ・ドンタクは「舞台に没頭するために、きちんとコーディネートした服は必須」というジンクスを話した。

 

「服を身だしなみを整えきちんと着て、公演で踊る役の準備をします。 一種のジンクスのようなものです(笑)。自分はこれが良い公演のための準備と考えています。 公演がある日は、起きた瞬間から演技に没頭しようとします。 キャラクターにより着る服に変化を与えています。 服は状況によって違いますがシャツとネクタイを着用するのが好きです。」

 

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▲パートナーと練習中のバレリーノ イ・ドンタク(c)クァク・ジンソン

 

バレエ界のファッショニスタ イ・ドンタクは去る2012年11月、神話(シンファ; 韓国歌手グループ)との出会いで話題になった。 当時イ・ドンタクはある放送プログラム<神話放送>(密かなプライベートレッスン-バレリーノ-)で、歌手神話のバレエの先生として活躍し目を引いた。 当時彼は、バレリーノ オム・ジェヨン、イ・スンヒョンとともに神話のメンバーを熱心に教えた。ふとバレエ師匠「イ・ドンタク」が見た、弟子「神話」のバレエの実力が気になった。

 

「皆さん一生懸命習われました。 6人のメンバーの中で生まれつき才能があったのはエリックさんでした。 柔軟性がありましたよ。 練習は皆さん熱心にされましたが。 特にジョンジンさんが一生懸命でした。 楽しい思い出ですね(笑)。」

 

独特の生き方、興味深い経歴。イ・ドンタクにはもう一つ特別な点がある。 彼の趣味だ。 彼には特異な趣味がある。 なんと「マーべル・コミックスのフィギュア」を集めることだ。 イ・ドンタクのマーべル・コミックス キャラクター愛はマニア水準。

 

「(趣味は)スポーツが好きです。 運動種目はほとんど好きです。 ボーリング、ビリヤードのようなレジャーなものもしますし。 あ、それから趣味でマーべルのフィギュアを集めています。 マーべルのキャラクターは途方もなく多いんですが、私は50個ぐらい集めました(笑)。」

 

ファッショニスタ、マーべルマニア、神話の師匠そしてバレリーノの間を行き来するバレリーノ イ・ドンタクの話。25才の青年の人生が時には映画のようであり、時には漫画のように感じられた。

 

イ・ドンタク「座っている観客を掴むカリスマ」を夢見る

 

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▲バレリーノ イ・ドンタク(25)(c)クァク・ジンソン

 

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▲バレリーノ イ・ドンタク、ファン・モンインと幻想的な演技をしている(c)クァク・ジンソン

「私が追求するスタイルは、客席に座っている観客を捉えるようなカリスマを持つ演技です。 テクニック的に他の人々とは違う、自分だけのスタイルを備えた演技をしたいです。」

 

イ・ドンタクは舞台の上で強烈なカリスマを放つ演技を夢見る。 その過程で目標もある。 簡単にスターになるよりは、しっかりした基礎の上に中身の詰まった演技で一歩一歩前進したいということだ。 彼は実際に目標に合う過程を歩んでいる。

 

2010年にユニバーサル・バレエに入団し、2011年ドゥミソリスト、2012年ソリストとして活動中だ。 2012年のバレエ協会新人賞受賞もその過程で得る気持ち良い結果だ。 段階を経て上がっていくイ・ドンタクは、基本技を忠実に磨いている。

 

バレリーノ イ・ドンタクは、良い踊りというのはダンサーや観客を泣かすことができ、他の人にエネルギーを与える踊りだと話す。 彼は尊敬するロールモデルに、米国ワシントン・バレエで活動するキム・ヒョンウン(32)バレリーノを挙げる。 同じ韓国芸術総合学校出身であるキム・ヒョンウンはイ・ドンタクにとって心強い兄であり、学びの対象だ。

 

「バレリーノ キム・ヒョンウンとは実の兄のように感じる程親しいです。 大学時代に彼のようになりたいと思いました。 当時兄さんがよれっとしたジャージを着て過ごしていたんですけど、自分にそれをくれないかと頼みもらって着ていました。 教授がジャージを見て、乞食かと言われたんですけど、それでも嬉しかったです(笑)。」

 

2013年3月、イ・ドンタクが<白鳥の湖>の主役を演じる公演を見るためにアメリカにいたキム・ヒョンウンは、時間を取り韓国に来た。 そして弟イ・ドンタクの熱演を心から祝ってくれた。 主役を演じたイ・ドンタクにとっては何より大きい力になる出来事だった。

 

「(キム・ヒョンウン)兄さんが主演する公演を見るためアメリカから韓国に来てくれました。 公演後にはあまり言葉がありませんでしたが、打ち上げの時に涙を流しながら誇らしいと言ってくれました。 ヒョンウン兄さんは今は海外に出てますが、自分ももっと努力して兄さんの後に続くバレリーノになりたいです。」

 

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▲イ・ドンタク バレリーノ(c)クァク・ジンソン

 

5月、イ・ドンタクは<沈清>の主役である船長、龍王役で舞台に立つ。 彼は<沈清>で自身が演じる船長役に魅了されている。

 

「船長をやりながら自信をたくさん持ちました。船長は表面では強くて動揺することがない性格ですが、沈清に会って自分でも知らずに内面的に揺れる人です。 そのような部分を魅力的に表現しようと努力しています。」

 

バレリーノ イ・ドンタクは、<沈清>の可哀想な状況に没入していくうちに、「沈清が引きずられていかないで済むことにはならないのだろうか」と考えたこともあると言う。 配役と演技に対する没頭の中で、観客の心に響く演技は誕生していた。 5月9日から始まったイ・ドンタクの<沈清>船長(9,10日)、龍王(11日)の演技が待ち遠しい理由だ。

 

彼はインタビューの終わりに20代に成し遂げたい夢について話す。 バレリーノ イ・ドンタクの夢はバレエにおいては「プリンシパル」になること、人生においては自ら家を買うということだった。

 

「バレエにおいてはプリンシパルになりたいです。 着実に段階を踏んでいくバレリーノを夢見ます。 そして自らお金を貯めて両親の助けを借りずに家を買いたいです。 独立したいと思っています。 自分のサポートをしてくださった両親の人生へもお返ししたいです。」

 

一歩一歩基礎を固めて前進する25才のバレリーノ イ・ドンタク、カリスマあふれる「バレエ界の新星」の踊りが舞台の上で輝いていた。

 

 

【oh my Star】

http://star.ohmynews.com/NWS_Web/OhmyStar/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0001864167