大陸の男女、 韓国バレエの中心に立つ

大陸の男女、 韓国バレエの中心に立つ

中国、ロシア、オーストラリア、イタリア、日本など多国籍軍団で構成されたユニバーサル・バレエにおいて、韓国の次に比重が高い国は中国である。 団員60人中10人が中国出身だ。 この中で主役として活動するダンサーはただ二人、プリンシパルであるホワン・ジェン(黄震・29)とソリスト ファン・モンイン(23)だ。

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▲10月24~27日上演されたユニバーサル・バレエの「This is Modern」公演の最初の作品「Black Cake」にて、パ・ド・ドゥ(2人舞)を披露するホワン・ジェン(左側)とファン・モンインが、バレエ団の練習室で呼吸を合わせている。

 

10月24~27日芸術の殿堂CJトウォル劇場にて上演される「This is Modern」を控え、練習の真っ最中にある二人に、去る17日ユニバーサル・バレエの練習室で会った。 一番目の作品「Black Cake」の恋人役で、最初のパ・ド・ドゥ(2人舞)を見せる彼らの体は、みなぎる緊張感によく鍛えられていた。

 

中国の上海出身であるホワンと、河南省出身であるファンは、2人ともとんでもない理由からバレエを始めた。

 

「幼い時に身体があまりにも弱かったので運動をすれば良くなるかと思って舞踊を始めました。」(ファン) 「私は何も分からなかった9才の時にバレエが好きだった母に手を引かれ上海喜劇学院に入り、バレエ人生を始めました。」(ホワン)

 

だが、それぞれ184㎝、171㎝の高い身長に長い腕と脚など、ダンサーとしての身体条件を生まれながらにして持つ二人にとって、バレエはまもなく「人生」そのものとなった。

 

「我を忘れて公演を終えた後、カーテンコールで観客からの拍手歓声があふると自分が生きて行く価値がここにあるんだな、と感じたりします。」(ホワン) 「入団5年目である昨年、初めて「くるみ割り人形」で主役デビューした時、胸が熱くなって公演が終わってからも正常な感覚ではありませんでした。両親は故郷で私の公演DVDを見てわんわん泣きました。」(ファン)

 

ユニバーサル・バレエでも指折り数えられる「彫刻ハンサム」であるホワンは、昨年まで香港バレエ団にてプリンシパルとして活躍し、ヨーロッパのバレエ団からも勧誘を受けた。 ファンは中国で唯一の高等舞踊教育機関である北京舞踊学院に、300対1の競争率を突破し入学した後、2006年の北京国際バレエコンクールで優勝したバレエ人材であった。 そのような彼らが韓国行きを選んだ理由は何であろうか。

 

「世界的なコンクールで韓国ダンサーが相次いで優勝するなど韓国バレエの成長の勢いが驚くべきものでした。 当時北京舞踊学院の先生をされていたブライアン・ユ(現ユニバーサル・バレエ芸術監督)監督が私を興味深く見て導いた影響も大きいです(笑)」(ファン)

 

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ファンは着実に自身の役割以上をやり遂げてコールドバレエ(群舞)として入団し、6年目の今年、ソリストのポジションに上がった。 昨年12月の「くるみ割り人形」、今年3月の「白鳥の湖」での主役を経て、5月にはユニバーサル・バレエが1986年に初演した創作バレエ「沈清(シムチョン)」で、27年ぶりに初めての外国人沈清(シムチョン)に抜擢され話題を集めた。

 

反対にホワンは超高速でポジションを固めた。 昨年7月ソリストとして入団し、8ヶ月経った3月に「白鳥の湖」で主役デビューを果たすとともにプリンシパルに飛び上がった。 ブライアン・ユ監督に「深みのある表現力と成熟した演技力を備えた」と言わしめるほどに、毎回の公演ごとに配役研究に没頭する彼だが、他のプリンシパルと肩を並べることについてはまだ負担の方が大きい。

 

「9年間香港バレエ団で数多くの作品を消化しましたが、韓国にきてからは(他の)ダンサーらと比較される視線をより意識してしまい恐ろしい時もあります。 ですが、主役同士の善意の競争はいつもあるものなので、大きく挫折しはしないですね。 地方公演に行けば団員らとカラオケに連れ立って行き、各自韓国、中国の歌を歌って遊んでストレスを解消します(笑)」(ホワン)

 

「くるみ割り人形」、「白鳥の湖」等で、ずっとパドドゥで呼吸を合わせてきた二人は、現代バレエという新しい挑戦を共に控えている。 上流層のワインパーティーに招待されたカップルが、酔いながら繰り広げるエピソードを踊りで紡ぐ「Black Cake」である。 「人間関係の色々な断面と、その中に宿るさまざまな感情を完成度高い踊りでお見せします。」(ファン)

 

 

【ソウル新聞】

http://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20131021022006