「王子」として帰ってきた「オネーギン」の彼、エヴァン・マッキー

「王子」として帰ってきた「オネーギン」の彼、エヴァン・マッキー

ユニバーサル・バレエ「白鳥の湖」で来韓
カナダ出身のシュツットガルト・バレエ団 プリンシパル

「オネーギン」の彼が帰ってきた。 カナダ・トロント出身のドイツ シュツットガルト・バレエ団 プリンシパル、 エヴァン・マッキー(29)。

 

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▲写真=ソ・ドンイル記者

 

2年前ユニバーサル・バレエのドラマティック・バレエ、「オネーギン」で国内バレエファンたちの心を揺るがした、すらりとした背丈のハンサム青年。 当時彼のオネーギンは気品ある悪い男の典型だった。 傲慢であり、凄まじかった。 今度は柔らかで繊細そして愛に命を賭けた純粋な青年、 ジークフリード王子だ。「単純かもしれません。 だかこそ強烈でなければならないですね。 だから最も難しいです。」マッキーは真摯に言葉を繋いだ。「王子のいない白鳥、想像できますか?  実はストーリーを導く人物は王子です。 王子のキャラクターをたくさん見せてこそオデット/オディールも大きく見えます。 だから甘くはありません。」

 

来る8日から12日までソウル 瑞草洞(ソチョドン)芸術の殿堂 オペラ劇場で上演されるユニバーサル・バレエ「白鳥の湖」のために、先月26日韓国に来た彼を、その日の午後にソウル ユニバーサル・バレエのオフィスで会うことができた。

 

彼は飛行機に乗る前日、シュツットガルト・バレエ団「ロミオとジュリエット」のロミオを役で、ジュリエット役カン・スジンと舞台に立った。 公演後にバレエ団ではジョン・クランコ(前芸術監督)の秘書だったスタッフの85才のサプライズ誕生日パーティーがあった。 伝説のダンサー マルシア・ハイデ、カン・スジンらと一晩中パーティーを楽しみ、明け方韓国行きの飛行機に乗った。 「一睡もすることができなかった。 そのくせ元気でピンピンしている」と彼は冗談を言った。

 

伺ってみると、マッキーの家庭は皆芸術家であった。 父はギターミュージシャン、母は劇場メイクアップアーティスト、祖母は照明デザイナー、母方の祖父は劇場監督出身だ。 幼い時からクラシック音楽に親しみ、8才で舞踊の世界に目を開いた。 ジャズ、タップダンス、バレエを一度に習い、バレエによる人生を決心した決定的な契機は、偶然にも「オネーギン」だった。 9才の時、カナダ国立バレエ団が公演したジョン・クランコ振付の「オネーギン」を見ながら、彼は「他の選択は無意味だ」という結論を幼い年にして出したのだ。

 

だからドラマティック・バレエにとりわけ強いシュツットガルト・バレエ団と一体となったのは必然かもしれない。 「クラシック・バレエは完璧なラインを追求します。 学校で習ったポジションを正確に駆使しなければなりません。 ドラマティック・バレエはポーズを取ってならず、自然でなければなりません。 習うことができるものではなく、自ら表現しなければなりません。」

 

ユニバーサル・バレエの「白鳥の湖」は、1895年ロシア マリインスキー版を土台にしつつ後半部を修正・補完した作品である。 王子はオデットを守るために悪魔ロットバルトと命を賭けた戦いを挑み、結局は死ぬ。 そんな彼を抱いて嗚咽するオデットを残し、舞台は幕を閉じる。 このバージョンをDVDで見たという彼は、「悲しい結末が印象的だった。 王子の長いソロも出てくるがそれもやはり目新しい。」という感想を述べた。

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彼は王子にとっての最高の場面は、「1幕2場で月の光の下、湖畔でオデットと初めて会う瞬間」だと語る。 「その日の王子の成敗はここで左右されます。 オデットに出会う前まで王子は王子ではありません。 オデットに会って一目惚れして恋に落ち、はじめて王子になります。 これをしっかりと見せてこそ残りの話を引っ張っていくことができます。 「あ、あの王子が完全に心を奪われたな。」と観客が一目で感じられるようにです」。彼はオデット、オディール以上に王子もやはり高度な役柄であると言う。 「王子を理解することができなければ白鳥を理解できません。 単純な王子の心理が全幕にかけて激しい変化を起こすのです。 オデットに誓い、その後オディールにも心を奪われ、再びオデットに許しを請う状況はそれほど容易ではないんです。」

 

クラシック・バレエの代名詞である「白鳥の湖」が持つ魅力を、彼は何であると考えるのだろうか。「リアルなラブストーリーの力から出発します。 完璧な女性に出会ったのに、また、誘惑にあう男の話です。現実的に十分可能でしょう。人間の踊りだと考えることができないほどの高難度な技巧を見ることができるという点でも、これほどまでのバレエはありません。音楽はそれ自体が途方もない価値がありますしね。」

 

チャイコフスキーの音楽に対する彼の賛辞にも終わりがなかった。 「王子とオデットが初めて会う瞬間に流れる音楽は素晴らしくて言葉になりません。 二つのテーマのメロディが流れるのですが、絶対に出会うことはありません。 ヴァイオリンの音が上から降りてきますが、メインメロディは下から上がって行きます。 調和するように続きますが、一つに合わさることはありません。 作曲家は随所に悲劇的な結末を隠しておいているのです。」

 

マッキーは普段写真を撮るのが好きで、米国や日本の有力ダンス 雑誌には定期的に文も書く。 振付家としても活動範囲を広げており、時間が許す限り新作もリリースする。 男性ダンサーの全盛期は普通30~40歳代だ。 人生の「華やかな時代」が目の前に迫っている彼は、「この道を歩き始めてから今まで一度も後悔したことがない。 何をするにしても劇場に私の人生があるだろう」と言う。 「浮気者」から「王子様」に変身するエヴァン・マッキーの舞台は、5日間6回公演のうち4/11の一回だ。 ユニバーサル・バレエの看板バレリーナ カン・イェナが「白鳥」で呼吸を合わせる。

<ファイナンシャル ニュース>

http://www.fnnews.com/view?ra=Sent1301m_View&corp=fnnews&arcid=201303050100020260001095&cDateYear=2013&cDateMonth=03&cDateDay=04