【THE インタビュー】 「2015 ユース・アメリカ・グランプリ」 ジュニア部門優勝… バレリーナ キム・シニョンさん
“夢の舞台に立った自分の姿を毎晩想像したりしてます”
嬉しいニュースが聞こえてきた。去る4月10~15日に米国ニューヨークにあるリンカーン・センターにて開催された ‘2015 ユース・アメリカ・グランプリ(以下YAGP)’ において韓国のキム・シニョン(Shin-Yong Kim, 仙和芸術学校3年) さんがジュニア部門でグランプリ(大賞)を受賞したとのことである。YAGPは 9~19歳のダンサー達が参加する、世界最大規模のジュニア・バレエコンクール。毎年、数千名がこの大会に挑戦状を出す。去る 22日に会ったキム・シニョンさんは“夢に一歩近づいた気分“と言いながら笑った。
▲チャン・ウンジュ客員記者
今年YAGPには7000名が応募した。このうち予選を通過した1200名がニューヨーク本選に参加した。キム・シニョンさんは、11日にコンテンポラリー, 13日にクラシック・バレエの審査を受けて, ファイナル(決勝)に進出した。決勝大会は15日に開催された。与えられた時間は2分だけ。赤色の衣装を着けたキム・シニョンさんは小道具のタンバリンを持って舞台に上がり、‘エスメラルダ‘ 中のソロ・バリエーションを情熱的に踊った。高難度の動作である ‘ピルエット‘(片足を軸にコマのように回る動作)まできれいに決めると、客席から拍手が沸き起こった。
▲4月 10~15日アメリカで開催された ‘ユース・アメリカ・グランプリ’で、ジュニア部門優勝を手にしたキム・シニョンさん。今年 9月、英国ロイヤル・バレエスクールに全額奨学金を受けて入学する予定だ。
キム・シニョンさんは、“舞台に立った時よりも結果発表の時の方が何倍も緊張した“と言いながら笑った。“正直、感触は良かったです。ファイナルで失敗もしなかったし、観客の反応も悪くなかったからです。どんな賞でも一つは貰えるのではないかな、と内心期待していました。ところが銅賞、銀賞、金賞で私の番号が呼ばれないんです。‘ダメだったか‘ と思っていると、グランプリで私の名前が出てきたんです。慌てもしましたが本当に感謝でした。”
キム・シニョンさんは7歳の時に初めてバレエと出会った。一週間に2回ほど趣味でバレエを習った。母であるパク・チョンイル(45)さんは“小学2年生の頃からシニョンがバレリーナになると言って、親にせがみ出した“と話した。“父親と私は二人とも工科大学を出ていて芸術の方へは考えもしていませんでした。ところが2年間も、くたびれもせずにせがむんです。あまりにも駄々をこめるので、諦めさせようと手を打ちました。英国ロイヤルバレエスクールで行っている1次のDVD 審査に合格したらバレエをやらせてあげると。ところが、ぽんと受かったんです。どうしようもないですね。約束したのですから…(笑).”
4年生の時から本格的にバレエを学び始めた。筋肉運動を並行しながら、ゆっくりと身体を作っていった。キム・シニョンさんは “バレエも大変でしたが、運動がもっとしんどかった“と打ち明けた。“私が少しでもやりたくない様子を見せると、お母さんが ‘あなたがやると言ったんじゃないの。こんなだったらバレエはさせない‘と言ったんです。その言葉が怖くて、ぐっとこらえてやりました。今も、腹筋運動だけでも一日700回ずつやっています。バレエをしながら一度も怪我がありませんでしたが、多分運動を続けてやってきたおかげだと思います。”
昨年まで3年間は韓国芸術総合学校の英才院に通った。学校で4時間、英才院で4時間、一日8時間ずつ練習した。家に帰ると夜の1時。そのまま倒れて眠った。
“身体が疲れているのも辛いけれど、やりたい動作ができない時が一番つらいです。私はターンの中でも‘ピルエット‘ のために苦労しました。6年生の頃から回り始めて昨年辺りに満足にできるようになりました。今回 YAGPで拍手を頂いた、そのターンです。”
YAGP入賞者は、有名バレエスクールやバレエ団に入団する機会を得る。バレエをする子供たちにとってYAGPが‘夢の舞台‘と呼ばれる理由も正にこのためである。キム・シニョンさんも今回名門バレエスクール3校から‘奨学生入学‘ の提案を受けた。英国ロイヤルバレエ団付属ロイヤルバレエスクール、イングリッシュ・ナショナル・バレエ付属学校、米国アメリカン・バレエ・シアター付属ジャクリーン・ケネディ・オナシススクールなどだ。選択は難しくなかった。
“バレエを専攻し始めた4年生の時から今まで毎晩、一日もかかさずやってきた事があります。一旦、目を閉じてですね。英国ロイヤルバレエ団の舞台を思い浮かべます。その後、そこで自分が踊っている姿を想像します。ロイヤルバレエ団は私の前からの夢です。その夢に近づいて行くために英国ロイヤルバレエスクールを選びました。”
長くまっすぐに伸びた美しい脚のラインは、‘バレエ有望株‘ キム・シニョンさんの強みだ。生まれついての身体条件に、柔軟性と表現力も優れているという評価を受ける。大きな舞台でも全く緊張しない大胆さも備えた。
“舞台に上がり観客からの歓呼と拍手を受けると、世の中の全てを手にした気分になります。そのじわっとくる感動が自分にバレエをずっと続けさせるような気がします。英国ロイヤルバレエ団のプリンシパルだったアリーナ・コジョカルさんのように、人々に感動を与えるバレリーナになりたいです。“
[Kid.Chosun.com]
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