白鳥は去りますが、新たな夢が広がります
バレリーナ カン・イェナ(38)にとって「白鳥の湖」は機会の門を何度も開いてくれた作品だ。 ロシア キーロフ・バレエ団に所属していた20歳の時、主役で3幕全幕を初めて公演した舞台がユニバーサル・バレエ 台湾ツアーの白鳥の湖であった。 このおかげで翌年1996年UBCにソリストで入団をし、1997年最年少プリンシパルという記録を残した。
1998年UBC初めての米国ツアーの時彼女はマンハッタン シティセンター劇場にて白鳥で羽ばたった。 これを見たアメリカン・バレエ・シアター(ABT)関係者は「直ちに契約しよう」と連絡をしてきた。 韓国人で最初にABTに入団した直後の練習中に、左側膝十字靭帯が破裂したことにより障害のなかった人生が止まった。 膝を手術して2年後、彼女は白鳥の湖で再び舞台に上がった。
そのような彼女が来月(2013年3月)11日ソウル、瑞草洞(ソチョドン)『芸術の殿堂 オペラ劇場』で最後の白鳥の踊りを披露する。 現在国内バレエ界プリンシパル中、女性最年長である彼女が引退を準備しているためだ。 26日ソウル ユニバーサル・バレエで会った彼女は言った。 「まだ引退時期を決定したわけではないが最後の白鳥の湖になるということは明らかなことなので最近一人で体をほぐしながら時々涙が出ます。 舞台で観客を見れば鼻先がじーんとすると思います。 引退はあまりにも当然の自然の摂理だから人生第2章を控えているということに焦点を合わせようと思います。」
白鳥の湖で主役バレリーナは崇高で細い白鳥オデット、妖艶ながらとうとうたる黒鳥オディールを行き来して1人2役を消化しなければならない。 カン・イェナはカリスマあふれる姿でバレエファンたちに人気が高い。 今回の舞台ではシュツットガルトバレエ団のプリンシパル エヴァン・マッキーが彼女とペアになるジークフリート王子で出演するためより一層関心を集めている。
「振り付けは十分に消化しますが、技巧的な面で後輩についていこうとするのは愚かなことですね。 演技力と深みある解釈で勝負しようと思います。 黒潮の32回のフェッテ(連続回転)のように強力な動作も多いですが、今回だけは大変だというより大切で新鮮に感じます。」
彼女がバレエと共に生きてきて26年。物静かに引退を準備しながら彼女は「私が最も好きでやりたいことは何か」を悩んだ。 その結果、彼女は最近自身の名前を取ったダンス服ブランド『イェナ ライン』を作ってデザイナー兼事業家として一歩踏み出した。
「教えることには全く意志はなく、ダンス服のデザインを必ずしてみたかったです。 バレエだけをして東大門市場に通いながら原料の売買をして、区庁と税務署に通いながら行政的な処理もしてみたらプリマバレリーナでなくこの社会のある構成員として生きていくための謙虚な経験をしています。 引退を控えていると寂しがる時間はないです。 市場で取引をして2000ウォン、3000ウォン値引ければとても気分が良いです。」
彼女の経歴には『韓国人1号』という修飾語が幾つもつく。英国 ロイヤル・バルエ学校入学、ロシア キーロフ・バレエ団、米国 アメリカン・バレエ・シアター、彼女が韓国人として一番最初にドアを開けた場所だ。 毎度も勇気を多く出さなければならない生活を送ってきたので、今後の人生も恐ろしくはないと彼女は話す。
「初めて行く道は容易ではないし、初めての実が甘くない時も多かったです。 それでも大変な時いつも繰り返して言いました。 『一人立ちするのはあなただけではないのよ。 あなただけ骨を折ったのではない。 あなたは他の人々ができないのもやり遂げる人だ。』」
<dongA.com>