【インタビュー】バレリーナ イ・ヨンジョン「ジゼル」で飛翔

【インタビュー】バレリーナ イ・ヨンジョン「ジゼル」で飛翔


UBCバレエ「ジゼル」を通じてドラマチックな演技力を発散

清々しく晴れた6日の午後、ノンヒョン洞にある天井の高いスタジオに入ると、広々と空間を埋め尽くした生気溢れる香りが嗅覚を刺激した。長いストレートの髪にネイビーブルーのジャケット、白のシャツに白のショートパンツを合わせた着こなしをしたバレエの神聖、イ・ヨンジョン(26)がいた。カメラの前でカットが変わるたびに色々なポーズをサクサクと表現する彼女は地上で最も悲しく美しいジゼルを演じるにあまりにもエネルギーに溢れていた。

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◆ロマンチックバレエの代表作「ジゼル」で悲劇のヒロインをドラマチックに演技

次世代のプリマバレリーナのイ・ヨンジョンは、ユニバーサル・バレエ(以下UBC)が6年ぶりに国内定期公演をするロマンチックバレエの代表作「ジゼル」(13-17日芸術の殿堂オペラ劇場)で、イ・スンヒョン(アルブレヒト)とペアを組んでジゼルを演じる。

「ジゼル」は、クラシックバレエの中でもドラマチックな展開が目立つ作品で、1幕と2幕で劇的な対照の演出がされ、ヒロイン ジゼルの心理変化が焦点になっている。1幕の前半までは恋に落ち、純朴で若々しい田舎の少女。1幕の後半には、恋人の裏切りで号泣し半狂乱になり、悲劇に向かっていく女性。そして2幕では、死んで魂になり恋人に向けた崇高な愛を守る可憐なウィリー(森の妖精)。このようにジゼルは女性として3段階の変化をする。難易度の高いテクニックはもちろん、深い内面の変化までを表す演技力が要求されるこの役はバレリーナなら必ず挑戦したい配役でもある。

「この役の話が来たときはとても驚きました。私自身が『繊細で美しい』という言葉からはかけ離れていたからです。「ドン・キホーテ」のヒロイン、キトリのように活発な役が似合うと思っていたので「果たして私がジゼルを上手に演じきれるだろうか」と悩んでもいました。しかし、この役がダンサーとして成長し、成熟できるきっかけになると確信しています。ドラマチックな要素があまりにも強い作品だから、観客の皆さんに物語がよく伝わるように、そこに重点を置いて演じてみようと思っています。

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自身への「ディス」がひどいと聞いた。自虐的であったり自信がないということではないだろう。自分を客観的に見つめられることと率直さのためであるように思える。すべてのことをはねつけるてしまえるクールさもある。
◆男に劣らないパワーと表現力は逸品…「反転の魅力」バレリーナとしての評価

「正直言ってジゼルの性格は私には似合わないんです。至高至純としたジゼルは、プライドを捨てて自分を愛した男性に献身しますよね。その男性の裏切りを知り衝撃を受けたとしても、私は死ぬほどの失恋の傷は負わないですね。イ・ヨンジョンのジゼルですか?作品の中の役とまったく同じではなく、私の性格に合ったジゼルを表現することが重要だと思います。その気持ちを維持しながらもジゼルのストーリーをうまく表現することが課題です。」

人を凌駕するほどのパワーと表現力を持つイ・ヨンジョンについてUBCのジュリア・ムーン団長は「内面に秘められた彼女独自の感受性があるので、ジゼルを立派に演じきるだろう」と語った。評論家からは「少女の清純さだけでなく、女性の高慢さも表現する方法をもつ反転魅力のバレリーナ」「多様な変身を遂げるカメレオンの魅力をもつ」という評価を付けられている。

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「中学生の時、キム・ジュウォン先輩の『ジゼル』を見た時は、さわやかで新鮮な感じが楽しかったです。 6年前ファン・へミン – オム・ジェヨンカップルの「ジゼル」公演のカーテンコールを見ながらひたすら泣いた覚えがあります。 2012年、私が群舞で出演した当時のソ・ヒ(ヒー・セオ)先輩のジゼルは、演技の面でとても印象的でした。感情表現と呼吸法が私の理想としたものだったんです。」

 

◆UBC群舞入団後、「くるみ割り人形」「白鳥の湖」の主役を務めて常勝疾走

小学生の頃、ぽっちゃり体系が嫌で痩せる目的で家の前のバレエ教室に通い始めたのがダンスと出会うきっかけだった。プロのダンサーとして生きることを決心したのは、韓国芸術総合学校2年生の頃だった。 UBCの精錬された美しいスタイルが好きな両親の勧めで2011年に入団した。コールドバレエ(群舞)を経てドゥミ・ソリスト、ソリストまで急速に昇級した。イ・ヨンジョンは「大変だった群舞生活当時に涙、鼻水、すべて流した」という。

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「これまで学んできたダンススタイルを変ることが一番大変でした。私は元々、力強いダンサーだったんです。UBCでは指先、つま先まで息をするように美しいスタイルを追求するんです。美しい白鳥のような友人たちは周りに多かったので、私はUBCでは不要な『醜いアヒルの子』だと思いました。良い先生と先輩たちのアドバイスさえも手に余る状況をよく乗り越えたと思います。 」

2011年入団するやいなや群舞にも関わらず「くるみ割り人形」の主役クララを引き受けて波乱を起こした。昨年3月、「白鳥の湖」でラインが美しくなったと好評を受け、共に美しい白鳥オデットと強烈な黒潮オディールの1人2役を見事に演じきったという賞賛に、これまでの苦労がとけるように消えたといって涙を流した。今年に入って「UBC30周年ガラコンサート」に続き、創作バレエ「人魚姫」で人魚姫役を演じたハン・イェジョン、舞踊院の先輩であるバレリーナ キム・ヒョンウンらと共に舞台を飾った。

 

◆「女性よりも小顔のバレエドル(バレエ界のアイドル) イ・スンヒョンは最高のパートナー。」

今回の「ジゼル」は、全7回の公演中に6組のカップルが主役を務める。ファン・ヘミン – オム・ジェヨン、カン・ミソン – コンスタンチン・ノボショーロフ、キム・ナウン – イゴーリ・コルプ、キム・チェリ – イ・ドンタク、イ・ヨンジョン – イ・スンヒョン(13日午後8時)、キム・ジュウォン – イ・スンヒョンの6組である。貴族の青年アルブレヒト役の 「バレエドル」のイ・スンヒョンについては「バレリーナをとても自然に支えてくれて、飛んでくれて、送ってくれてる彼のパートナーシップは最高ですよ」と目を輝かせた。続いて飛んできた追加評価、「ディス」の達人らしい。

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▲「ジゼル」のアルブレヒト(イ・スンヒョン)とジゼル(イ・ヨンジョン)[写真=ユニバーサル・バレエ]

 

「彼は物語を引っ張っていく力としなやかさ、テクニックが優れているのでヒロインよりもきれいで保護本能を誘発しているんです。一緒に舞台に上がったり、写真撮影をする時は私の顔が小さく見えるようにすごく気を使っているんですよ。まったく。ハハ。イ・スンヒョンさんとはドラマバレエの代表作である「オネーギン」で行き違った愛に絶叫するタチヤーナとオネーギンで公演してみたいです。」

「ジゼル」第1幕でアルブレヒトとジゼルが初めて会う「恋の駆け引き」の感じをよく生かしたいというイ・ヨンジョン今後のことを尋ねると、「若いから後悔せずにすべての作品をやってみたい」と力強い意志を現わした。

 

[取材後記]バレエは喜怒哀楽の人生史が含まれているので、バレエに閉じこめられて過ごすよりも様々な経験が重要だと思う。愛と別れだけでなく、音楽、映画、本と酒を飲みながら遊ぶことのようなものの両方が大事である。大学時代の負傷のために舞台に上がれなかった苦痛の時間を知っているので、ダンサーのリハビリのために考案されたジャイロトニックを欠かさない。インタビューのメモをしまった後彼女が言った。 「私は生まれつきの身体条件が良いダンサーではない。直していく部分が多いかったのでむしろ欲が出た。自分自身との戦いです」。堂々としたバレリーナ、イ・ヨンジョンの今後の力強い跳躍が予見された。

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【スポーツQ】
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